歯の病気リスクと正しい歯のケア
毎日の食後の歯磨きは、人間にとって当たり前の習慣ですが、同じように愛犬にとっても食後の歯磨きはとても大切なものです。なるべく習慣づけて行っていただくことをお勧めします。犬の歯のケアに関する正しい知識は、なかなか知りえる機会がないかもしれません。現在、3歳以上の飼い犬の8割以上が口腔内トラブルを抱えているといわれています。虫歯や歯周病、歯石は毎日の歯磨きで予防できます。また、毎日の歯磨きでは少しの異変や歯の病気を早期に発見することも可能です。現在、動物病院では犬の虫歯や歯周病はすぐに抜歯をするのが一般的です。虫歯のたびに歯を失ってしまうリスクを負わないためにも食後の歯磨きの習慣は、愛犬の歯の健康を守る大切な役割があります。
歯石の形成を防ぐ毎食後の歯磨き
人間と犬では唾液のpH(ペーハー)値が異なります。人間の唾液は中性~弱酸性(pH = 6.8~7)となっていますが、犬の唾液はアルカリ性(pH = 8~8.5)です。この違いは歯石が形成されるスピードに大きくかかわっています。人間では25日間で食事により歯についたプラークが石灰化して歯石が形成されます。犬では3日間なので約8倍も早く歯石が形成されます。
犬の口腔内トラブルのほとんどは歯石が原因といわれています。一度ついた歯石は、歯磨きで簡単に除去することはできません。スケーラーと呼ばれる専用の器具を用いて歯石を除去しなければなりません。なるべく毎食後30分以内に歯磨きを行い、プラークの付着を防ぐことが大切です。
歯石除去は病院で行いましょう
ご家庭で市販のスケーラーで歯石を除去すると、肉眼ではわからない程ごくわずかな傷や凹凸が歯の表面に残ってしまいます。この傷やへこみに歯の汚れやプラークが付着して、新たな歯石が形成されます。このように家庭でのスケーリング(歯石除去)は、見た目は綺麗になっても状態が以前より悪化してしまう恐れがあります。人間の場合、スケーリングをした後は歯の表面を滑らかにしてフッ素塗布などをおこない歯のケアを行いますが、動物の場合はそれらの処置はなく、歯石を除去してもまた繰り返し歯石ができていくようになります。毎日ご家庭での歯磨きに加えて定期的に専門のクリニックで歯石除去を行うことで口腔内トラブルを未然に防ぐことができます。
歯石・歯周病の予防
歯や口腔内の病気を予防するためには毎日の歯のお手入れが欠かせません。歯磨きガムだけでは、完全にプラークを除去することが難しいので、なるべくなら歯や歯茎のマッサージと歯ブラシを使って歯の表面や裏側についた汚れを除去していきましょう。
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